人生最大の心残り

２００３年のクリスマスイブの夜、吐き気をもよおして目を覚ました。

きっとクリスマスのごちそうを食べすぎたのだ。

明日からは弓道の国体候補選手の強化合宿。代表選手の選考を兼ねている。

少し吐いたが、たいしたことはないと思い、すぐに寝た。

次の日の朝。気分はどうしても良くならない。今にも吐きそうだ。

それでも、合宿には行かなければならなかった。

選ばれたのは１８人。試合形式の練習もある。ひとりでも欠けたら迷惑がかかる。

もしかしたら、気分も良くなるかもしれない。

電車に乗って合宿場所の大宮公演へ向かう。電車が揺れ、吐き気は強くなる。

それでもなんとか我慢して、合宿場所に到着した。

しかし、頑張れたのはここまでだ。

袴に着替える所でギブアップ。袴は腹を強く締めつける。

この状態で腹を強く締めつけたら、道場で吐いてしまう。

先生方に事情を話して、帰宅。朝来た道を戻る。情けなくて仕方がなかった。

ここまできて合宿に参加できないなんて。いろいろな人にたくさんの迷惑をかけた。

半泣きで帰宅した。熱をはかったら４０度近くの高熱だった。

こんな熱は今までに見たことがない。過去最高記録だ。

合宿前に気合を入れて練習をしすぎたのがいけなかった。

ジャージでは弓を引きにくいため、袴で練習していた。薄着すぎたのだ。

練習を頑張ったおかげで弓道の調子は最高だったが、風邪のために体の調子は過去最悪。

それから３日間私は寝込んだ。合宿なんてとても無理だった。

修学旅行や遠足などでよく聞く、体調管理に気をつけましょうという言葉。

そんなことを意識したことはなかった。まさか、本当にこんなことが起こるなんて。

過去最高の大失敗。どうすることもできずに寝込むことしかできなかった。

何かを考えるときには、常に最悪の事態を想定しなければいけないのだ。

最悪の事態を回避するために。

この失敗から学んだことは些細なこともおろそかにしてはいけないということだ。